岡本隆司教授、『腐敗と格差の中国史』を刊行
岡本隆司著
NHK出版 NHK出版新書583 240頁
2019年4月発行
定価:本体850円(税別)
ISBN: 978-4-14-088583-3
歪みはどこから来たか
なぜ中国では党幹部や政府役人の汚職がやまないのか? なぜ共産主義国にもかかわらず、貧富の差が拡大するのか?
超大国を蝕み続ける「病理」の淵源に、実力派歴史家が迫る。エリート/非エリートの金・コネ・権力をめぐる相剋の二千年を一望し、独裁の度合いを強める中国共産党、および現代中国の実相を大胆かつ明快に読み解いた一冊。
【目次】
はじめに──中国共産党から考える
Ⅰ 格差──士と庶はいかに分かれたか
1 皇帝という体制
2 官僚制の成立
3 門閥主義から賢才主義へ
4 官僚制と二元社会
Ⅱ 権力──群雄割拠から唐宋変革へ
1 トップダウンの統治
2 トップダウンに抗して
3 王安石の改革とその史的意義
Ⅲ 腐敗──歪みはどこから来たのか
1 地方制度の概観
2 衙門の構成
3 行政の実態とその二面性
Ⅳ 改革──雍正帝と養廉銀
1 清代前期の情況
2 雍正帝の改革
3 末路
Ⅴ 根源──中国革命とは何だったか
1 一九世紀の内憂外患
2 腐敗の洗練
3 革命のターゲット
4 国民党と共産党
むすびに──現代中国を展望する
あとがき
文献案内
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