今年度6回目の発表者は、主に知的障害者を対象とする京都府下の施設(生活介護事業・就労継続支援B型事業)に就職して3年目の毛戸菜月さん。毛戸さんはそこで、内職作業や清掃委託にあたる利用者のサポートを通じて、ソーシャルワーク実践に取り組んでいます。
報告は、具体的な支援業務の紹介に加え、業務の中で得た気づきや葛藤について言語化し、ソーシャルワーカーとして実践の振り返りを試みるものでした。とりわけ今回は「障害のある人が働くこと、その支援について」を考えるなかで、専門職として大切にすべき価値を見つめ直す学びとなりました。
また、後半のグループセッションでは、現役生も交え「働くこと」をキーワードに、それぞれの働く目的やワークライフバランスについて話が及びました。
このようなピアスーパービジョンを活用した振り返りは、卒業生の専門的スキルを高めていくための、大切な学びの機会となっています。また、回を重ねる毎に、卒業生・現役生間の交流も活発になり、互いの気づきや学びが深まっているように思います。
【第18回ソーシャルワーク実践研究会】
日時: 3月10日(日)
会場: 本学 合同講義棟 第4講義室
内容: 14:45〜16:15
話題提供:「3年目のソーシャルワーク実践:障害者の就労支援をとおして」
社会福祉法人同胞会 イサク事業所どうほうの家
毛戸 菜月さん(精神保健福祉士)
16:15〜17:00 グループセッション
参加者:11名(卒業生8名 在学生2名、教員1名)
【精神保健福祉士とは? 】
1997年に誕生した精神保健福祉領域のソーシャルワーカーの国家資格です。国内では、1940年代後半より精神科病院等に配置され、資格制定以前はPSW(Psychiatric Social Worker)と呼ばれていました。
現在、国内ではソーシャルワーカーの国家資格には、主に精神障害のある方の支援を専門とする「精神保健福祉士」と、それ以外の領域の問題を幅広く扱う「社会福祉士」があります。資格の別にかかわらず、いずれもが、「ソーシャルワーク」を実践する専門職である「ソーシャルワーカー」です。
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/nation/psw.html (厚生労働省のHP)
http://ifsw.org (International Federation of Social Work=国際ソーシャルワーカー連盟のHP)
今回は稲盛記念会館メンテのため、懐かしの合同講義等での開催。
グループセッションでの議論は「就労支援」から、「障害者にとっての就労」「働くこととは」へ。