今回の報告者は、精神保健福祉士養成課程1期生の上田恵美子さん(2012年3月卒)。障害者総合支援法と関連付けながら、勤務先の福祉事業所(社会福祉法人明日葉 すみれカンパニー・就労継続支援B型事業)での実践について、解説していただきました。
精神保健福祉士の業務は、関連法制度の改編に伴って細分化が進んでおり、同じ専門職であっても、医療機関と事業所では必要な知識や技術が異なることも多くなっています。そのため、クライアントに対する相談支援が、縦割りで弾力性に欠けるものとなるのを避けるためにも、とりわけ種別の異なる機関/施設間での情報交換が重要となります。
今回は集中講義の日程と重なったため、在学生の参加が少なめでしたが、現行法下での精神障害者の就労支援の課題等、現任ソーシャルワーカー同士の議論がいつも以上に深まったように思います。
とりわけ、「一般就労につながった≠支援をまったく必要としない状態」という見解は、国や自治体の障害者福祉関連の法制度が実態を反映したものとなるよう、現場からしっかり発信し続けていく必要があると思われます。
【第10回ソーシャルワーク実践研究会】11月18日(土)14:00〜17:00(於 稲盛記念会館 会議室)
「就労継続支援B型事業(所)とは」
上田恵美子さん(精神保健福祉士・社会福祉士)
* 参加者9名(卒業生7名 在学生1名 教員1名)
精神科病床を有する総合病院、就労支援や生活訓練等の事業所、高齢者施設、社協等に勤務する卒業生達。在学生は1回生がひとり。
現在、国内ではソーシャルワーカーの国家資格には、主に精神障害のある方の支援を専門とする「精神保健福祉士」と、それ以外の領域の問題を幅広く扱う「社会福祉士」があります。資格の別にかかわらず、いずれもが、「ソーシャルワーク」を実践する専門職である「ソーシャルワーカー」です。
本学では、2008年の精神保健福祉士養成課程開設以降、卒業生のほぼ全員が国家資格を取得して、保健・医療・福祉の現場で活躍しています。
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/nation/psw.html (厚生労働省のHP)
http://ifsw.org(International Federation of Social Work=国際ソーシャルワーカー連盟のHP)