本学精神保健福祉士養成課程では、卒業生を対象とする研修を年間通じて実施しています。
精神保健福祉士の資格は、国家試験に合格することにより取得できます。しかし資格は、ソーシャルワーク専門職として即戦力たり得ることを証明するわけではありません。他の専門職同様に、資格取得によって専門職の現場に入ることを許され、そこで働きながら経験を積み、多くの先輩の仕事ぶりに学び、助言を得ながら、何年もかけて一人前へと成長していくのです。
こうした専門職としての成長を支えるものとして、職場のOJTや職能団体が開催する研修がありますが、本学ではそれらに加えて、卒業生のみが参加できるクローズドな形式での卒後教育の機会を提供しています。
今回のスピーカーは、本学を2019年3月に卒業された大西佳奈子さん。本学卒業後、京都市内の単科精神科病院に勤務しておられます。2年間の相談室勤務を経て、デイケアに異動して迎えたソーシャルワーカー3年目の思いを語ってくれました。今回は、卒業生のみで参加者も少なめであったことから、グループスーパービジョンのような形を取ることができ、卒業生クローズド形式の強みを実感することとなりました。
これからも卒業生がゆっくりと着実に成長していくことを見守り、支えていきたいと思います。(山野尚美)
【第29回ソーシャルワーク実践研究会】
日時: 2021年11月28日(日) 14:00〜17:00
会場: オンライン
テーマ: ソーシャルワーカーにできること・すべきこと
話題提供 大西佳奈子さん(精神保健福祉士)
参加者:5名(卒業生3名、教員2名)
【精神保健福祉士とは?】
1940年代後半より精神科病院等で精神障害者の相談支援にあたってきた、PSW(Psychiatric Social Worker)の活動に連なる形で、1997年に誕生した精神保健福祉領域のソーシャルワーカーの国家資格です。
なお現在は、日本精神保健福祉士協会の英語名称にMHSW(Mental Health Social Workers)が用いられています。
国内のソーシャルワーカーの国家資格には、主に精神障害のある方の支援を専門とする「精神保健福祉士」と、それ以外の領域の問題を幅広く扱う「社会福祉士」があります。資格の別にかかわらず、いずれもが、「ソーシャルワーク」を実践する専門職である「ソーシャルワーカー」です。
本学では、2008年の精神保健福祉士養成課程開設以降、卒業生のほぼ全員が国家資格を取得して、保健・医療・福祉の現場で活躍しています。
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/nation/psw.html (厚生労働省のHP)
http://ifsw.org (International Federation of Social Work=国際ソーシャルワーカー連盟のHP)
たまたま、日頃の業務でも関わりがあるメンバーがそろい、ホッとできる時間になりました。