【概要】
本学精神保健福祉士養成課程では、昨年度より、専門職として保健・医療・福祉分野でソーシャルワーク実践にあたっている卒業生を対象として、卒後教育プログラムを実施しています。
第5回目の開催となった今回は、高齢者の介護サービス事業に従事している4期生(卒業後2年目)がスピーカーを務めてくれました。高齢化率すなわち総人口に占める65歳以上人口の割合が26%となる中、精神保健福祉士の支援実践においても、「年齢を重ねたことによる生活のしづらさ」への配慮は、欠かせないものとなっています。今回の報告では、法制度と関連付けた勤務先での業務に関する具体的な紹介と共に、ジレンマを伴う状況について参加者と共に考える時間が取られました。精神障害者を対象とするソーシャルワーク実践において、精神疾患とそれに伴う影響以外にも視野を広げる必要性を再確認するきっかけになったのではないかと思います。
後半は、3グループに分かれて、卒業生はと在学生がそれぞれの職場での実践や大学での学びとそこでの思いについて、語り合うことができました。三重県や岡山県など遠方から駆けつけてくれた卒業生もあり、「府大」を基点とする仲間のネットワークの広がりが、今後ますます期待されるところです。
【第5回】 8月20日(土)14:00〜17:00(於 稲盛記念会館・会議室)
〇 実践報告
「高齢者を対象とするデイサービス事業所における実践」(橋本 真穂 さん・2015年卒業))
〇 3グループに分かれてのグループワーク
* 参加者21名(卒業生10名、在学生9名、教員2名)報告者と参加者の質疑も活発に行われました。
グループワーク冒頭のアイスブレイクについての説明を受ける参加者。
【精神保健福祉士とは? 】
1997年に誕生した精神保健福祉領域のソーシャルワーカーの国家資格です。国内では、1940年代後半より精神科病院等に配置され、資格制定以前はPSW(Psychiatric Social Worker)と呼ばれていました。
現在、社会福祉専門職の国家資格には、精神保健福祉士と社会福祉士がありますが、いずれも、その専門性の基盤となるのは「ソーシャルワーク」であり、アイデンティティは共に「ソーシャルワーカー」であると言えます。
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/nation/psw.html (厚生労働省のHP)
http://ifsw.org (International Federation of Social Work=国際ソーシャルワーカー連盟のHP)