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センター長メッセージ

[2020年4月30日]

センター長メッセージ

小林センター長近影


京都和食文化研究センター長 小林 啓治(こばやし ひろはる)

 2020年の世界は、新型コロナウイルスの脅威で覆われ、感染者も死者もとどまるところを知らない勢いです。急激に進んだグローバリゼーションがもたらした矛盾が、コロナショックによって顕在化する中で、私たちはポスト・コロナ社会のあり方につて構想を練っておかねばならないでしょう。たとえば、デンマークでは、コロナショックによって生まれた失業者を新たな雇用で救済すべく、環境問題への対処を一層強化して社会を再構築する試みが始まっています。

 本センターでは、このような課題を念頭におきつつ、文学部和食文化学科が設立(2019年4月)されたことを踏まえ、和食文化研究の推進に一層力を注ぐことにしています。これまで、日本列島における食文化の起源、大陸との交流や各地域での多様な食材を活かした食文化の展開、食材の機能分析などの研究に取り組んできましたが、さらに、分野横断的に研究を深めていく必要があります。同時に、さまざまな要素からなる和食文化の複合性を、学術的に体系化していくかも大きな課題です。生産、流通、経営、料理術はもちろん、自然観、地域性と多様性、環境負荷などの問題も含めて、生活文化としての和食を「学」として構築するという課題に取り組みたいと思います。

 インバウンドが殺到し、世界的に和食が注目されているという好条件とはうらはらに、足下の日本で、生活文化としての和食の未来は決して明るいとは言えません。ユネスコの無形文化遺産に和食が登録される過程で、関係者の中には「このままでは和食は滅びてしまう」という共通認識が生まれたと言われています。文化遺産でもある「和食文化」を現代的な観点から評価し、生活文化としての和食をどのように継承・発展させていくのか、本センターもこうした課題に無関心ではいられません。ポスト・コロナ社会を考える際、地域循環型社会と関連させて、食と産業のあり方を模索し、災害・災厄に対して強靱で豊かな社会を構想していく必要があるでしょう。「和食文化」研究はその際の重要な切り口となることを確信しています。

お問い合わせ

京都府立大学京都和食文化研究センター京都和食文化研究センター担当

電話: 075-703-5251 FAX: 075-703-5149


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