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運動によって筋肉で起こる代謝変化の解明;筋肉代謝の活性化のスイッチを発見した

[2015年7月7日]

運動によって筋肉で起こる代謝変化の解明;筋肉代謝の活性化のスイッチを発見した

 

生命環境科学研究科分子栄養学研究室は、静岡県立大学食品栄養科学部栄養化学研究室と共同で、運動時の筋肉における代謝の一端を解明し、米国で出版されているオンライン版の学術誌「PLOS ONE」(プロスワン)http://www.plosone.org/で6月26日(米国時間)に公開されました。

筋肉は人体で最大の組織であり、エネルギー代謝、糖取込み、運動において重要な役割を果たします。適度な運動は筋機能を向上し、生活習慣病予防・改善に有効であるため、運動時の筋肉の代謝を調べることは重要です。

私たちは運動により発現が増加し、エネルギー産生に関与するタンパク質であるPGC1αに着目し、マウスの筋肉でPGC1αを発現増加させた遺伝子改変マウス(PGC1αマウス)を作製したところ、持久運動能力が向上したことを以前報告しました。本研究ではPGC1αマウスの筋肉でどのような代謝変化が起きているかを調べ、エネルギー代謝や運動時に機能する代謝経路が活性化していることがわかりました。本研究において私たちは、運動によって生じる筋肉の分子変化を明らかにしました。

本研究成果は、スポーツ科学として、運動持久能力を向上させるためのサプリメントや機能性食品の開発につながる可能性があります。また、筋肉の活性化と密接な生活習慣病や加齢によって生じる筋力・運動能低下(ロコモーティブシンドローム)の予防・改善のための研究につながります。

本研究によって、運動によっておこる筋肉の代謝活性化のスイッチを見つけたと考えています。つまり、PGC1αを活性化させる機能性食品や薬剤がもし見つかれば、寝たきりの人でも運動をしたのと同じ効果がある可能性があります。

 

【研究の概要】

PGC1αマウスの筋肉を使用して一度に数百個の代謝産物量の変化をみつける手法である、メタボローム解析を行いました。その結果、TCA回路、ペントースリン酸経路そしてBCAAやβ-アラニンを含むアミノ酸代謝が活性化していることがわかりました。TCA回路、BCAAを含むアミノ酸代謝の協調的な調節はPGC1αがエネルギー代謝に重要な役割を担っていることを示しています。さらに、運動時に活性化することが知られているプリンヌクレオチド回路とアスパラギン酸-リンゴ酸シャトルが活性化していました。これらの結果はPGC1αが運動時のエネルギー代謝を調節している重要な因子であることを示しています。

 

当該論文掲載

Y. Hatazawa, N. Senoo, M. Tadaishi, Y. Ogawa, O. Ezaki, Y. Kamei*, S. Miura*. Metabolomic Analysis of the Skeletal Muscle of Mice Overexpressing PGC-1α. PLoS One. 10:e0129084, 2015. doi: 10.1371/journal.pone.0129084. 2015. (*Corresponding Author)

http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0129084

 

【連絡・問い合わせ先】

京都府立大学 大学院生命環境科学研究科 分子栄養学研究室

教授 亀井康富 

電話番号;075-703-5661

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京都府立大学 大学院生命環境科学研究科 分子栄養学研究室
教授 亀井康富 
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