生命環境科学研究科の研究成果が国際学術誌 「PNAS(米国科学アカデミー紀要)」に掲載されました
栄養欠乏時(飢餓時)の脂肪肝の発症に骨格筋が関与していることを発見
-骨格筋のFoxO遺伝子が脂肪肝を調節する-
生命環境科学研究科 分子栄養学研究室では、今回、マウスを用いた実験から、①栄養欠乏時(飢餓時)には骨格筋内でFoxOと呼ばれる遺伝子が脂質代謝やグリコーゲン代謝などを調節し、肝臓への過剰な脂肪蓄積を防ぐ機構として働いていることを明らかにしました。また、②肝臓に脂肪が蓄積しやすい高スクロース・コレステロール含有の高脂肪食(ウェスタン食)を与えた時、骨格筋でヒトFoxO1遺伝子を発現増強したマウスでは、脂肪肝炎(MASH:代謝機能障害関連脂肪肝炎)様の病態発症が起きにくいことを明らかにしました。これにより、骨格筋が肝臓の病態・生理に重要な役割を担っていることが示唆され、脂肪肝調節における複雑で巧妙な臓器間の連関機構の存在が示されました。これらの成果は、飢餓適応における生体恒常性を調節する骨格筋FoxO遺伝子の重要な役割を明らかにするものです。

概要図1. 栄養欠乏時(飢餓時)の骨格筋で代謝が変化する仕組みと骨格筋が肝臓に及ぼす影響
栄養欠乏時(飢餓時)には骨格筋内でFoxO1,3,4遺伝子が脂肪酸の代謝やグリコーゲン代謝を調節し、肝臓への過剰な脂肪蓄積を防ぐ機構として働いている。骨格筋でヒトFoxO1遺伝子を発現増強したマウスでは、ウェスタン食を給餌した時の脂肪肝炎様の病態発症が起きにくい(マウスのイラストはBiorender.comより作成)。
(詳しくは添付のプレスリリースをご覧ください)
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【掲載論文】
Mamoru Oyabu, Manato Sakaue, Atsushi Kubo, Kiyoshi Yoshioka, Runa Kawaguchi, Haruki Yamamoto, Yuzuka Kinjo, Jungin Kwon, Hiroki Nishi, Daisuke Yamanaka, Tomoki Sato, Daiki Mori, Takahiro Eguchi, Naoki Ito, So-ichiro Fukada, Takayoshi Suganami, Shinji Miura, Yusuke Ono, Fumihiko Hakuno, Shin-ichiro Takahashi, Tsuyoshi Goto, Yasutomi Kamei.
Loss of FoxO in skeletal muscle leads to disrupted muscle metabolism and exacerbates starvation-induced hepatic steatosis. PNAS. Volume 123, Issue 15, e2600036123, April 8, 2026.
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【お問い合わせ先】
京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 分子栄養学研究室
講師 大藪 葵
E-mail:oyabu-m@kpu.ac.jp
教授 亀井 康富
TEL:075-703-5661 E-mail:kamei@kpu.ac.jp
<報道に関すること>
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