本学動物衛生学研究室 塚本康浩教授の研究チームが、ダチョウの卵からスギ花粉やヒノキ花粉のアレルギーを抑える抗体を取り出すことに成功しました。
塚本教授は、飼育している約500羽のダチョウの中に、春先にまぶたが腫れてくるダチョウがいることに注目。そのダチョウの血液を調べてみると、花粉アレルゲンに対する抗体値が非常に高いこと、つまりダチョウが「花粉症」になっていることが判明しました。
このダチョウの卵から抽出した抗体を、花粉アレルゲンをしみ込ませた濾紙に添加し、花粉症の人の皮膚に塗ったところアレルギー反応が起こりませんでした。ダチョウの抗体が花粉アレルゲンに結合し(いわゆる抗原抗体反応です)、人の皮膚でのアレルギー反応を抑えたということになります。
塚本教授の研究チームがこれまでに開発したダチョウ抗体精製の技術を用いれば、花粉症ダチョウの卵から花粉アレルゲンに対する抗体が低コストで大量に採取できるということです。
研究チームは、現在、この花粉症ダチョウの卵からの抗体を使ってエアコンフィルター、ディフューザー、スプレー材、化粧品、目薬、点鼻薬などの商品化を試みています。