本書は、「日本の古典文芸作品から日本の食文化をさぐる」というコンセプトのもと、文学部和食文化学科の母利司朗教授の編集により出版されました。
和歌、平安物語、御伽草子、俳諧、浮世草子、草双紙など、多様な文芸の中に描かれた言葉や表現を通して、食にたいする日本人の感覚、感性をさぐり、日本の食文化についての新しい見方、知見を論じた多くの論文を掲載しています。
<執筆者ならびに収録内容(執筆順)>
高橋 亨 酒と菜と魚―和歌の表現との関わり―
安達敬子 恋と食と―王朝女流文学の規範意識から見る―
母利司朗 瓜と日本人
伊藤信博 『六条葵上物語』からみる室町後期の擬人化された物語
藤原英城 『伊勢物語』から『料理物語』『仁勢物語』へ―「食」の文芸化と商品化を通して―
母利司朗 東寺九条の水入菜は―『類船集』の「蕪」をめぐって―
中村真理 「瓜茄子」考
冨田和子 錦木・海苔飯・蜆汁―狂俳句をとおして探るイメージ―
小林 孔 芭蕉の食膳―晩年の深川と伊賀の月見―
岡本 聡 食べる牡丹から観る牡丹へ―蕉門の牡丹狂騒曲―
石塚 修 井原西鶴作品にみられる食文化―『万の文反古』を中心に―
野澤真樹 浮世草子『風流酒吸石亀』に見る酒席と食
大関 綾 黄表紙にみる「即席料理」
早川由美 芝居の中の食材―おもてなし料理と食材尽くし―
畑 有紀 文久二年(一八六二)の麻疹流行と食物―麻疹(はしか)絵(え)が示す食養生―
発行:臨川書店 2020年9月刊 2,300円+税
四六判 本文総284頁 ISBN 978-4-653-04418-5
※附属図書館で閲覧できます。生協書籍部にも置いていただいていますのでどうぞ手にとってご覧ください。
文学部和食文化学科の母利司朗教授編『和食文芸入門』が刊行されましたへの別ルート