今年度1回目のソーシャルワーク実践研究会はコロナウィルス感染拡大防止のため、初のオンライン開催となりました。今回の発表者は7期生の内田加奈子さん。内田さんは京都府内にある障害者総合支援法に基づく自立訓練事業所で、精神保健福祉士として勤務されています。自立訓練事業所は、主に精神疾患を持つ方々が訓練や集団生活を通して、あらゆる生活技術を獲得したり、自らの望む生活の実現に向けて準備を進めていく場所です。通所・訪問だけでなく、京都府で唯一の宿泊型自立訓練を行っています。
当日は業務内容や事業所・支援スタッフの役割に加えて、仕事のやりがいや面白さ、時に支援で感じる葛藤について、事例を交えてわかりやすく報告して頂きました。内田さんが悩んで言語化した葛藤は、それぞれの現場で活躍する他参加者も直面したことがあるものだったため、大きな共感を呼びました。このように発表者が葛藤を言語化することで、他参加者も自分が普段抱えている思いに改めて気づく良い機会となったと強く感じます。
後半では5人ずつのグループに分かれて、発表の感想や日頃の業務で感じていることを共有し合いました。オンライン上で活発な意見交換を行うことができ、30分では時間が足りないくらい盛り上がりました。実は関係機関同士の卒業生もおり、今後の業務でも連携できる顔の見える関係になったように思います。
初のオンライン開催となり不安もありましたが、通常の大学での開催と大きく変わらず研究会を行うことができました。また、遠方に住む人や子どもがいる人、妊婦など様々な事情で通常参加が難しい卒業生も、オンラインだからこそ参加することが可能となりました。今後もコロナウィルスの感染状況を注視しつつ、より良い方法で開催していく予定です。
(報告:公共政策学部 福祉社会学科 2012年度卒・2期生 田中亜紀)
【第24回ソーシャルワーク実践研究会】
日時: 2020年7月26日 14:00〜16:45
方法: オンライン開催
内容:14:00〜14:10 自己紹介
14:10〜14:45 話題提供「働いて3年目のわたしが 日々、感じていること」
精神保健福祉士 内田加奈子さん
14:45〜15:05 質疑応答
15:05〜15:15 休憩
15:15〜15:55 グループセッション
15:55~16:45 全体共有、今後の開催についての話し合い
参加者:10名(卒業生8名、教員2名)
【精神保健福祉士とは?】
1997年に誕生した精神保健福祉領域のソーシャルワーカーの国家資格です。国内では、1940年代後半より精神科病院等に配置され、資格制定以前はPSW(Psychiatric Social Worker)と呼ばれていました。
現在、国内ではソーシャルワーカーの国家資格には、主に精神障害のある方の支援を専門とする「精神保健福祉士」と、それ以外の領域の問題を幅広く扱う「社会福祉士」があります。資格の別にかかわらず、いずれもが、「ソーシャルワーク」を実践する専門職である「ソーシャルワーカー」です。
本学では、2008年の精神保健福祉士養成課程開設以降、卒業生のほぼ全員が国家資格を取得して、保健・医療・福祉の現場で活躍しています。
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/nation/psw.html (厚生労働省のHP)
http://ifsw.org (International Federation of Social Work=国際ソーシャルワーカー連盟のHP)
初めてのオンライン開催。遠方に住む人や子どもがいる人、妊娠中の卒業生も、参加できました。
オンライン上ではありましたが、いつもと同じようにスライドも共有できました。
日々の実践を、自分の言葉で一生懸命伝えてくださいました。