今年度初となるソーシャルワーク実践研究会は、宮田暢子先生にご講演を頂きました。宮田先生は2016年度より本学精神保健福祉士養成課程の講義、実習演習をご担当頂き、今年度より本学公共政策学部福祉社会学科実習助教として着任していらっしゃいます。
「今回の講演はみなさんのキャリア形成にあたっての1つの事例として聞いてほしい」という言葉から始まった宮田先生のご講演。「わたしのキャリア」をテーマに、キャリアについての一般的な説明から始まり、それでは自分はどうか?と、宮田先生の精神保健福祉士としての経歴に当てはめながらお話し頂きました。医療機関のソーシャルワーカーとして個人を対象にケースワークを行なっていた時代、行政機関のソーシャルワーカーとして地域に対象を広げ取り組んでおられた時代等、様々な実践を経験された宮田先生。その都度、精神保健福祉士としてどこに重点を置きたいのかを考え、実践に取り組んでいたという話が印象的でした。
後半のグループセッションでは「キャリア形成」をキーワードとし、卒業生、在学生、教員交えて話し合いました。卒業生は今後どのようなキャリアを歩んで行きたいか、在学生は今の自分達が思い描くキャリアはどのようなものか等、改めて自分達を見つめ直し、各々の思いを共有しました。冒頭で宮田先生がお話されたように、自分達それぞれのキャリア形成について改めて見つめ直し考える、良き機会となったように思います。
宮田先生のご講演の中で「実践を可視化すること、言語化することが求められた」という話題も上がりました。目まぐるしい日々の中で、自分の実践を振り返ること、自分自身を見つめ直すこと、そしてそれらを可視化、言語化していくという作業は、必要性を感じていたとしても、実際には出来ていないことが多いです。この実践研究会が、言葉にならない言葉を、自分達が言語化し得る範囲内で言葉として紡いでいく場としていけるよう、今後も取り組んでいきたいと考えています。
(5期生 中野 綾)
【第19回ソーシャルワーク実践研究会】
日時:2019年5月19日(日)
会場:本学稲盛記念会館 会議室
内容:
14:45〜15:55
講演:「わたしのキャリア」
京都府立大学公共政策学部福祉社会学科実習助教 宮田 暢子 先生
16:15〜17:00
グループセッション
参加者:19名(卒業生9名、在学生8名、教員2名)
【精神保健福祉士とは? 】
1997年に誕生した精神保健福祉領域のソーシャルワーカーの国家資格です。国内では、1940年代後半より精神科病院等に配置され、資格制定以前はPSW(Psychiatric Social Worker)と呼ばれていました。
現在、国内ではソーシャルワーカーの国家資格には、主に精神障害のある方の支援を専門とする「精神保健福祉士」と、それ以外の領域の問題を幅広く扱う「社会福祉士」があります。資格の別にかかわらず、いずれもが、「ソーシャルワーク」を実践する専門職である「ソーシャルワーカー」です。
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/nation/psw.html (厚生労働省のHP)
http://ifsw.org (International Federation of Social Work=国際ソーシャルワーカー連盟のHP)
宮田先生のお話に熱心に聞き入る参加者。
3グループに分かれて感想等を分かち合った後、全体で共有しました。