1 受賞者 畑澤幸乃(京都府立大学 生命環境科学研究科 応用生命科学専攻 博士後期課程3回生)
2 研究概要
「運動・筋萎縮における骨格筋代謝制御の分子機序解明」骨格筋は環境の変化に順応することができます。例えば、 がん・寝たきりや加齢などによって骨格筋の萎縮が生じます。加齢による筋萎縮は生活の質(Quality of Life, QOL)の低下により医療費や介護費を増大させているため、予防法の確立は重要です。一方で、運動トレーニングは筋機能を高め、筋萎縮を予防できることが知られていますが、寝たきりなどで運動ができない人もいます。超高齢社会を迎えた我が国において、筋萎縮や運動時の分子機序を理解し、筋萎縮・筋機能不全の予防法や運動模倣薬の開発が求められています。
本研究は、エビデンスのとれた筋萎縮抑制・運動模倣食品や医薬品の開発を目指し、その基盤となる知見を探求しました。本研究では、骨格筋での遺伝子の働きを調節する3つの因子PGC1α・FOXO1・Dnmt3aに着目し、運動や筋萎縮の分子機序を明らかにしました。
3 日本学術振興会「育志賞」について
天皇陛下の御即位20年に当たり、社会的に厳しい経済環境の中で勉学や研究に励んでいる若手研究者を支援・奨励するための事業の資として、平成21年に陛下から御下賜金を賜り創設されました。将来、我が国の学術研究の発展に寄与することが期待される優秀な大学院博士課程学生を顕彰することで、研究意欲を高め、若手研究者の養成を図ることを目的としています。受賞者は毎年16名程度。賞状、賞牌及び学業奨励金110万円が贈呈される。受賞者は国立大学在籍者がほとんどを占め、公立大学の受賞者は、畑澤氏と深田氏(京都府立大学 第7回受賞者)を含め、今までに4名のみです。
4 授賞式 平成30年3月6日 日本学士院(東京・上野)にて